「国立理系だけど就職活動が不安です。理系は就活余裕って本当?」
「研究活動ばっかりやっていて、全然就職活動していないけど大丈夫かな。」
「旧帝の理系だけど周りも自分もほとんど就職活動してない、、、」
理系学生の多くは、研究活動を中心に生活しており、就職活動をほとんどやっていなかったりします。
実際、筆者も学生の頃は研究活動ばかりで自分の就職のことはほとんど考えていませんでした。
しかし、あなたが旧帝大クラスの理系学生であれば、企業を極端に選り好みしなければ、就職先に困ることはほとんどないので安心してください。
本記事では、旧帝大理系院卒の筆者が旧帝大理系の就職の実態について解説します。
旧帝大クラスの理系学生
理系の息子・娘がいる親御さん
彼氏・彼女が旧帝大の理系学科にいる方
理系だけど、推薦応募ではなく自由応募で就職活動をしようと思っている方
- 旧帝大の理系、大学院卒
- 推薦ではなく自由応募を中心に就活
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本当に旧帝大クラスの理系は就職活動は余裕なのか?
結論から言うと、推薦応募(学校推薦)の場合、就職活動はかなり楽です!
しかし、自由応募の場合はそうでもありません!
以下で、それぞれの特徴を説明していきます。
推薦応募(学校推薦)
旧帝大クラスの理系学生の多くは推薦応募もしくは学校推薦と呼ばれる制度を活用して就職先を決定することになります。
この応募推薦制度は、その大学の学生が欲しい会社が学校に接触し、就職希望の学生がいれば推薦するというものです。
面接なども実施されますが、大学から学校推薦をしていただいた場合ほとんどの確率で内定をもらうことができます。
就職活動の時期(3月頃)より前の12月頃に推薦枠を用意しているという企業がリストアップされて就職希望の学生に公表されます。
ここには日本に多くのトップ企業が100社以上ならびます。
筆者は工学部の機械系に所属していましたが、誰もが聞いたことのある自動車メーカーをはじめ、重工メーカー、電機メーカー、半導体、鉄鋼、非鉄などのありとあらゆる会社の推薦枠がありました。
どの企業もいわゆる大企業で、一般の方からすると理解できないような世界だと思います。
推薦応募はどうやって決まる?
12月頃になると、学科や学部ごとに企業の人(リクルーター)が来て、大学で説明会をし始めます。
この説明会は、研究室の後輩などを通じて内々で行われることが多く、クラスのグループラインなどで案内が来ます。
説明に来る企業の方(リクルーター)はその大学の学科のOBであることが多く、教授や後輩とのコネクションを利用して就職希望の学生と接触します。
その説明会で連絡先を交換し、工場見学や面接などの次のステップに進んでいくことになります。
また、推薦枠企業リストにある企業のなかで、志望する会社がある場合は担当の教授にお願いして、連絡先を教えてもらい、企業の方と接触する方法もあります。
推薦には大きく2パターンが存在し、企業のほうから面接が進むにつれて途中で学校推薦をもらうように求められるパターンと、大学側から企業のほうへ推薦していただき、面接してもらうパターンがあります。
パターン1
- 面接が進むにつれて、途中で会社から「学校推薦を受け、推薦書類を提出する」ように指示される
- はじめは自由応募とほぼ同じ
パターン2
- 大学に推薦希望の旨を伝え、企業へ推薦してもらい、面接を受ける。
- はじめから、学校推薦の利用を前提として選考を受ける
理系の就活! 工場見学とは?
理系の就活で大切なのは工場見学です。
リクルーターと説明会で連絡先を交換したり、教授に仲介してもらって連絡すると、企業から工場見学の案内がきます。
工場見学は11月から3月までの時期に開催されることが多く、本気で行きたい企業であれば必ず参加しておくべきです。
自分が将来勤務することになる工場かもしれません。
自分がその会社で働くことをイメージできます。
面接の際などに話すネタにもなるでしょう。
工場見学は実際の工場が生で見れる絶好の機会ですので、絶対に参加しておきましょう。
また、実際よりも多めに交通費が支給される場合もあり、飛行機代で稼ぐ就活プロもいます。
推薦応募の面接
3月頃になると面接が始まります。
多くの場合、志望動機などの通常の面接内容に加えて、研究内容の説明が求められます。
リクルーターが補助してくれる場合が多く、相談にも乗ってもらえるでしょう。
大学の推薦応募制度を使いたい旨をちゃんと伝えて、リクルーターの方としっかり面接対策を行うと、面接で落とされることはあまりありません。
推薦応募の注意点!
推薦応募を使って内定をいただく場合、注意点がひとつあります!
それは「内定をもらったら断ることはできない」ということです。
企業の採用活動は大変コストがかかります。
とくに大企業は内定を出した学生から断られることを大変嫌います。
学校推薦の制度は、推薦されたら企業も採用をほぼ約束する代わりに、学生にも絶対に入社するよう求める制度です。
この学校推薦の制度は企業との信頼関係に成り立っています。
もし、あなたが推薦応募で内定を頂いたのに入社を断った場合、次年度からその会社の推薦枠がなくなったりなどのペナルティがあるでしょう。
来年度以降の後輩に迷惑がかかるので絶対にやめましょう。
就活は飲み会?
「理系の就活は飲み会!」と言っている人がたまにいます。
これはある意味事実です。
コロナウイルス感染症が流行する前まではとくに、その傾向が強かったです。
先程説明したOBによる説明会た工場見学の際は、夜に飲み会がセッティングされていることが大半です。
その飲み会の場で、聞きづらいことや実際の先輩の働き方などを聞くことができます。
コロナウイルス感染症が流行する前の就活生、とくに20卒以前の方からは「就活は飲み会だった」という話をよく聞きます。
しかし、21卒以降の方はほとんどがオンライン面接やオンラインでの説明会となっていてそのような機会は少なかったでしょう。
また、対面での説明会があったとしても、状況を鑑みて、飲み会は開催しない会社がほとんどです。
推薦応募で落ちることはあるのか?
推薦応募とはいえ、面接で落ちることはあります。
実際に筆者の知人も何人か落ちています。
1人の枠のところに2人が応募した場合や、単純に面接でうまくマッチしなかった場合など様々な理由があります。
会社によっては、もう一度面接をセッティングしてくれたりする場合もあります。
面接に落ちた場合でも、リクルーターとよくコミュニケーションをとっておくことが大切です。
旧帝大理系の自由応募はどうなのか?
自由応募とは?
推薦応募ではない就職活動の方法に「自由応募」があります。
就活サイトなどからマイページを作成してエントリーシートを提出、面接をセッティングしてもらい、選考を受ける方法です。
多くの文系学生や推薦応募制度のない理系学生はこの方法で就職活動をすることになります。
文系と一緒の土俵で戦うことになる
当然ですが、自由応募では、文系学生と戦うことになります。
彼らは、大学3年生はじめから就職活動に向けて練習をし、それまでも対外的に様々な活動をし、経験を積んでいます。
理系学生が友達とゲームしたり、実験レポートや宿題に追われている間も敵はボランティア活動や留学、ビジネス、インターンシップなどのアクションをしています。
理系学生にとって、そんな活発に動いてきた彼らと戦うと大変厳しい戦いになります。
早くから、研究活動の傍らでインターンシップや早期の面接に参加して就活をする必要があります。
就活のために研究室を休まなければいけない場合も多くあるでしょう。
そういった就活を許容してくれる研究室・指導教官なのかどうかも重要な要素になります。
理系だろうがただのあなたの武器のひとつでしかない!
とくに技術系の職業でなかった場合、理系や専門分野のアドバンテージは全くなくなります。
理系で旧帝大であることはあなたがある程度勉強ができることの証明にしかならず、会社で役にたつ保証はまったくありません。
企業は大学で専門的な研究しかやってこなかったあなたよりは、その会社のビジネスに近いところでインターンをやってきた学生が欲しいです。
授業を真面目に出席して専門分野を勉強してきたあなたよりは、飲みサーで幹事をやってきた人間のほうが会社としては欲しいでしょう。
道を踏み外す覚悟があるか?
もし、あなたが自由応募での就職活動を考えている場合、自分の経験やスキルをもう一度見直す必要があります。
多くの学生と同様に、自己分析をし、エントリーシートを何十社にも提出し、説明会に参加し、面接対策を行う必要があります。
それに加えて、通常の研究活動も行う必要があります。
就職活動は大変厳しいものになるでしょう。
また、就職できる会社は他の推薦応募で就職していった理系の友達よりも有名な会社ではないかもしれません。
もう少しストレートな表現をすると、一般的な理系のルートから道を踏み外すことになります。
多くの理系は、なんとなく勉強がそこそこできて、専門分野が嫌いではなかったからレールにのっかってきた人がほとんどでしょう。
そのレールに乗っかりつづけると、有名大企業の技術職として一生安定して生活することができます(最近はそういう考え方は減ってきたと言われていますが、簡単に解雇しずらい日本の法律や年功序列が色濃く残る大企業がほとんどであることを考えるとこの傾向はしばらく続くでしょう)。
今一度、自分がそのレールから外れる覚悟があるのか、レールから外れてまでやりたいことがあるのかを考えてみてください。
まとめ
旧帝大クラスの理系の就職活動は一般の学生に比べるとかなり楽です。
学校推薦の制度を利用すれば、エントリーシートや面接対策などに割く時間は大幅に減り、他の学生と比べて容易に有名企業に技術系として就職することができるでしょう。
一方、自由応募を志す場合は、それ相応の苦労があります。
自分が本当にその道でよいのか、とくに「なんとなく、勉強ができたから理系でここまできた」という方はよくよく考えて選択してください!