今回は、
「奨学金の返還免除を受けたい! でも実際どうすればいいの?」
と考えている大学院生・学部4年生の皆さん向けて在学中にやるべきことを解説します!
- 地方旧帝大理系大学院卒です。
- 日本学生支援機構の第一種奨学金を大学院在学中の2年間、毎月88,000円借りました。
- 特に優れた業績による返還免除により、半額の返還免除をいただくことができました。
- 現在は会社員として働きながら、奨学金の返済を行っています。
日本学生支援機構奨学金の返還免除を受けたい方
返還免除を受けたいけど、なにを頑張ったらいいかわからない方
実際に返還免除を受け取るにはどのくらいの業績が必要なのか知りたい方
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「特に優れた業績による返還免除」とは?
「特に優れた業績による返還免除」とは、日本学生支援機構の大学院奨学金のうち、第一種奨学金を借りた方を対象に、在学中の業績に応じて返還免除が認定される制度です。
半額免除と全額免除の2段階があり、業績によって評価されます。
評価項目がいくつかあり、卒業時に証拠書類とともに返還免除の申請を行います。
申請者の中から、大学内で選考があり、日本学生支援機構に返還免除候補者として推薦されます。
最終的に日本学生支援機構が認定すると、免除が確定します。
日本学生支援機構の大学院奨学金や「特に優れた業績による返還免除」についてはこちらも参考にしてください。
在学中にやるべきこと7つ!
独立行政法人日本学生支援機ホームページによると、令和2年度中に大学院修士課程にて第一種奨学金の貸与が終了した20,412名のうち、返還免除を受けた学生は6,102名でした。
返還免除者6,102名のうち、全額の返還免除を受けたのは1,374名で半額の返還免除を受けたのは、4,728名でした。
よって、半額免除以上を受けたい場合、第一種奨学金を借りている学生のなかで上位30%に入る必要があることがわかります。
全額免除を受けたい場合は上位6%程度になる必要があります。
所属する学科や専攻で奨学金を借りている人の人数にもよりますが、同期が80名の学科で半数の40名が第一種奨学金を借りていると想定すると、上位2名程度が全額免除、10名程度が半額免除だと考えられます。
多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、他の学生よりもよい評価を得るためには、ある程度の結果を残さなければいけないことが分かります。
実際に半額免除を頂いたぺろの経験をもとに大学院生が在学中にやるべきことをまとめます。
✔返還免除をもらうためにやるべきこと7つ!
- 授業に出席して、よい成績をとる
- 学会発表をたくさんする
- 査読付き原著論文を投稿する
- TA・RAをする
- (専攻分野に関連した)ボランティア活動をする
- 書類をきちんと保管する
- (卒業時期に)申請書類を提出する
授業に出席してよい成績をとる
当たり前ですが、授業に出席してよい成績を取る必要があります。
筆者ぺろの大学院の成績は8割方が「秀」で、のこりは「優」でした。
「優」未満の成績はありませんでした。
学会発表をたくさんする
奨学金返還免除の審査では、学会発表の回数や受賞歴なども加味されます。
たくさん学会発表をして、学会賞を取れるよう頑張る必要があります。
筆者ぺろの所属した研究室は資金面で恵まれていたこともあり、学会での発表の推奨してくれる指導教員でした。
お陰様で、修士課程の2年間で国内外10回を超える学会発表を行いました。
また、学会で若手向けの賞を受賞することもできました。
査読付き原著論文を投稿する
奨学金返還免除を受けるには、査読付きの原著論文が掲載されることが最も重要だと言われています。
また、学会誌のレベルやインパクトファクターなどは加味されないと言われています。
海外学会誌のほうが国内学会誌よりも評価が高いようです。
筆者ぺろは、修士課程在学中に2本の査読付き原著論文を掲載していただくことができました。
TA・RAをする
ティーチング・アシスタントやリサーチ・アシスタントの経験も加味されます。
お給料ももらえるうえに、奨学金返還免除の評価にもなるので、機会がある方は絶対にやっておきましょう!
筆者ぺろもいくつかの指導教員の授業をティーチング・アシスタントとしてお手伝いしました。
(専攻分野に関連した)ボランティア活動をする
ボランティア活動も評価に加味されます。
ただし、専攻分野に関連したものに限ります。
筆者ぺろは、学校祭などで子供向けに科学実験を体験してもらうボランティアをやりました。
書類をきちんと保管する
意外と重要なのが、書類を保管することです!
奨学金返還免除の申請では、実績を証明する書類のコピーを提出する必要があります。
几帳面な方でしたら問題ないかと思いますが、申請時に書類がなかなか見つからないといった学生を何人か見かけました。
とくに以下の書類は大変なくしやすいのできちんと保管しておきましょう。
- 会賞の表彰状やした学会の概要集
- 投稿論文、論文の掲載決定通知
- 学会賞の表彰状や、学内外での受賞時の表彰状
- TA・RAなどの採用通知
- その他のアピールできそうな書類
参加した学会の概要集
学会で発表するともらえたり、購入したりする概要集ですが、奨学金返還免除の申請時に必要になります。
とくに、学会日時や会場が記される表紙と自分の要旨が掲載されている頁は大変重要です。
これらの頁をコピーして証拠書類として申請時に提出することになります。
学会発表を終えたら、開放感からそのまま概要集を捨てることなく保管しておきましょう。
投稿論文、論文の掲載決定通知
投稿論文の掲載頁や、掲載決定通知も奨学金返還免除の申請に必要になります。
証拠書類として申請に使用しますので、きちんと保管しておきましょう。
学会賞の表彰状や、学内外での受賞時の表彰状
学会での受賞はもちろん申請で使えるほか、大学内の表彰などは資料として申請に使える可能性があります!
頂いた表彰状は絶対に捨てずに保管しておきましょう。
TA・RAなどの採用通知
ティーチング・アシスタントやリサーチ・アシスタントをした場合は、その採用通知や発令、労働条件通知書が証拠として使えます。
捨てずに保管しておきましょう。
その他、アピールに使えそうな書類
奨学金返還免除の申請をする学生は多くいます。
免除を受けようとすると、他の学生よりも目立った評価を得る必要があります。
アピールできそうな材料があればきちんと書類を保管しておきましょう!
(卒業時期に)申請書類を提出する
これをやらなけらば、話になりません!
3月卒業見込みの修士課程2年生でしたら、1, 2月頃に「特に優れた業績による返還免除申請」の受付がはじまります。
場合によっては、修士論文発表会の時期と重なり大変忙しくなります。
また、期限も2週間ほどとタイトな場合もあります。
日頃から、きちんと書類を整理して申請書類提出時期に焦らなくてよいようにしておくことが大切です。
まとめ
奨学金返還免除はごく限られた人しか受けられません。
とくに、全額免除は筆者の知っているなかでも数人しか知りません。
また、査読付き論文をいくつか投稿していたにも関わらず、免除を受けられなかった学生もいました。
奨学金返還免除は制度上、同期の学生との相対評価で決まります。
先輩や同期の言葉に惑わされることなく、自分の努力を貫いてください。