多くの大学院進学を検討する大学生には、学費がネックになることと思います。
とくに、理系の大学生の多くは修士課程に進学するため、周囲が当然のように大学院にいくことに驚く方もいるかと思います。
もし、あなたが資金面で進学を迷っているのであれば、奨学金という選択肢を是非検討してみてください。
本記事では、大学院修士課程の2年間で日本学生支援機構の第一種奨学金を借りた筆者の経験をもとに、日本学生支援機構の第一種奨学金のメリットとデメリット、返還免除制度について解説します。
- 地方旧帝大、理系大学院(修士)卒業です。
- 日本学生支援機構の第一種奨学金(利子なしのほう)を毎月88,000円、2年間いただきました。
- 「特に優れた業績による返還免除」制度を利用して、半額の返還免除を頂きました。
大学院に進学予定の方
大学院に行こうか悩んでいる方
大学院の奨学金について知りたい方
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大学院奨学金のメリット
筆者が考える日本学生支援機構 第一種奨学金のメリットは以下の通りです。
- 利子がないタイプの奨学金が借りやすい
- 修士課程2年間の業績により返還免除となる場合がある
- お金がはいってくることで時間に余裕ができる
第一種奨学金(利子なし)を借りれるチャンスがある
大学院で奨学金を借りるか悩んでいる方は多いと思います。
とくに、親が学費を出してくれると言ってくれているご家庭ほど悩むと思います。
結論から言うと、
大学院の修士学生は日本学生支援機構の第一種奨学金であれば絶対に借りるべきです!
日本学生支援機構の奨学金には利子なしの第一種奨学金と利子ありの第二種奨学金があります。
「利子なしの奨学金なんて、親の年収がそれなりにある場合は受けられないんじゃないの?」と思う方がいらっしゃると思います。
たしかに、学部生の奨学金については、親の年収が採用に関係していました。
しかし、大学院の奨学金では、学生本人の年収しか要件がありません。
親の年収に関係なく申請することができます。
多くの方の人生において、無利子でお金を借りることができるタイミングはこのときしかないといってもいいでしょう。
修士課程2年間の業績により返還免除が受けられる
日本学生支援機構の奨学金には「特に優れた業績による返還免除」の制度があります。
この制度では、修士課程2年間の業績に応じて、奨学金を借りた金額の半額もしくは全額の返還免除が認定されます。
詳しい内容は日本学生支援機構のホームページ(特に優れた業績による返還免除の手続き)を参考にしてください。
仮に、2年間毎月88,000円借りた場合、
88,000円 × 24 ヶ月 = 2,112,000円
全額の場合は2,112,000円、半額の場合は1,056,000円の返還免除を受けられる可能性があります。
令和2年度に修士課程にて大学院第一種奨学金の貸与が終了した方のうち、全額の返還免除者はおよそ6~7%、半額の返還免除者は約23%です(日本学生支援機構:令和2年度 大学院第一種奨学金における特に優れた業績による返還免除の認定について)。
全額返還免除は大変狭き門ですが、半額返還免除は十分に狙えます!
この、返還免除の制度は大学ごとに推薦される候補者から、日本学生支援機構が全額返還免除と半額返還免除を認定される仕組みとなっています。
免除者の割合は、各大学ごとに割り当てられており、東大などの優秀な学生しか受けられない制度ではありません。
ライバルとなるのは同じ大学の学生です。
「特に優れた業績による返還免除」の申請は奨学金の貸与が終了する時期、修士課程修了の時期に設定されており、大学内で同時期に貸与が終了する同期内で順位づけが行われます。
半額の返還免除を狙うなら、大学内の同期のなかで上位23%に入る必要があります。
この学内の順位づけに関しては、おおよその評価項目が公開されています(日本学生支援機構:特に優れた業績と評価方法)。
実際に半額返還免除認定を受けた筆者がやったことについてはこちらにまとめましたのでぜひ参考にしてください。
お金が入ってくることでバイト三昧になる必要がない
大学生の多くはアルバイトに追われていると思います。
アルバイトは自分のお金お稼ぐのに必要ですし、経験にもなります。
しかし、大学院生のアルバイトはやりすぎに注意が必要です。
そもそも研究室の拘束時間が長いせいで、アルバイトが十分にできない可能性や、
学会発表や就職活動などのイレギュラーなイベントが学部生時代よりも増えます。
アルバイトへ割ける時間が減るため、補うお金として奨学金があると余裕がでてくるでしょう。
また、時間的に余裕がでてくることで勉学や研究活動にも身が入るでしょう。
奨学金を借りるデメリット
大学院生が日本学生支援機構の第一種奨学金を借りるデメリットはないと考えます。
敷いて挙げるとするならば、奨学金を申請しても不採用となる可能性があることです。
また、第二種奨学金の場合は低いですが利子があります。
第二種奨学金をまったく検討していないのであれば、
申込み時に、「仮に第一種奨学金に不採用となった場合に第二種奨学金を希望するかどうか」を選択することができます。
もし、第二種奨学金を受け取るつもりがないのであれば、第一種奨学金のみを選択しましょう。
まとめ
「大学院生は日本学生支援機構の第一種奨学金を借りるべき!」というお話をしました。
メリットをもう一度まとめます。
- 利子がないタイプの奨学金が借りやすい
- 修士課程2年間の業績により返還免除となる場合がある
- お金がはいってくることで時間に余裕ができる
ぜひ、前向きに検討し、大学院の2年間を豊かなものにしてください!