今回は、フィードバック制御について学習します。
✔学習内容
・フィードバック制御とは
・フィードバック制御の伝達関数の求め方
・例題(令和3年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-12)
フィードバック制御は、技術士一次試験の頻出範囲です。
必ず得点できるようにしておきましょう。
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フィードバック制御とは
フィードバック結合とは、出力$Y(s)$を引き出し点より分岐させて、$H(s)$に入力したのちに、加え合わせ点より$G(s)$に入力するような結合を指します。
フィードバック制御の伝達関数
各信号線は図のようになり、まとめると以下の方程式が得られます。
$$Y(s)=G(s)\cdot\left(U(s)-H(s)\cdot Y(s)\right)$$
$$Y(s)=G(s)\cdot U(s)-G(s)\cdot H(s)\cdot Y(s)$$
$$Y(s)+G(s)\cdot H(s)\cdot Y(s)=G(s)\cdot U(s)$$
$$\left(1+G(s)\cdot H(s) \right)Y(s)=G(s)\cdot U(s)$$
$$\frac{Y(s)}{U(s)}=\frac{G(s)}{1+G(s)\cdot H(s)}$$
整理すると、等価変換後の伝達関数は$\frac{G(s)}{1+G(s)\cdot H(s)}$であることがわかります。
暗記すべきブロック線図の等価変換についてはこちらの記事にまとめています。
問題
問題画像は公益社団法人日本技術士会ホームページからダウンロードしたものです。
【令和3年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-12】
【解答】
フィードバック結合ですので、求める伝達関数は、
$$\frac{C(s)P(s)}{1+C(s)P(s)}=\frac{K_p\cdot\frac{b}{s+a}}{1+K_p\cdot\frac{b}{s+a}}=\frac{K_p\cdot b}{s+a+K_p\cdot b}$$
伝達関数の(分母)=0としたときの解を極というので、
$a=-2$、$b=1$で極が$s=2$で不安定となることから、
$$s+a+K_p\cdot b=0$$
$$s+(-2)+K_p\cdot 1=0$$
選択肢のなかで、極が負の数となり安定するのは、
⑤の$K_p=4$の場合のみです。
正解は⑤です。
系の安定について復習したい方は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、フィードバック制御について学習しました。
フィードバック制御に関する問題は技術士一次試験で頻出です。
確実に理解して、問題演習を積みましょう。
過去問を完璧に解けるように繰り返し解くことが、技術士一次試験合格の近道です。