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1分で理解! ゼロ点と極、系の安定の考え方! 【伝達関数】

今回は、伝達関数の意味について学習します。

学習内容

・伝達関数の読み方:ゼロ点と極
・系の安定の見分け方
・例題(令和元年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-11)

伝達関数について復習したい方は、以下の記事を参考にしてください。

ページコンテンツ

ゼロ点と極

例として、以下の伝達関数$G(s)$を考えます。

$$G(s)=\frac{s(s-1)(s^2+2s+1)}{(s+1)(s^2+4s+4)}$$

ゼロ点

ゼロ点は伝達関数$G(s)$の(分子)=0としたときの多項式を解いた答えです。

ゼロ点または零点といいます。

今回のゼロ点は、$s(s-1)(s^2+2s+1)=0$を解いた答え、

$$s=1, 0, -1$$

となります。

極は、伝達関数$G(s)$の(分母)=0としたときの多項式(この式をとくに、特性方程式といいます)を解いた答えです。

極または根といいます。

今回の極は、$(s+1)(s^2+4s+4)=0$を解いた答え、

$$s=-1,-2$$

となります。

系の安定

極がすべて、負の実数もしくは実部が負である複素数である場合、応答は収束して安定した系となります。

極がひとつでも正の実数もしくは実部が正である複素数の場合、応答は発散して不安定な系となります。

例の伝達関数の場合、

$$G(s)=\frac{s(s-1)(s^2+2s+1)}{(s+1)(s^2+4s+4)}$$

極が$-1,-2$ですので、安定な系だといえます。

問題

問題画像は公益社団法人日本技術士会ホームページからダウンロードしたものです。

【令和元年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-11】

令和元年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-11 問題
公益社団法人日本技術士会 – 試験・登録情報 過去問題(第一次試験)

【解答】

伝達関数$G(s)$の(分子)=0としたとき、

$$(s^2-2s+1)(s-2)=0$$

$$(s-1)^2(s-2)=0$$

$$s=1, 2$$

よって、零点は1, 2となります。

伝達関数$G(s)$の(分母)=0としたとき、

$$s(s+2)(s^2+2s+1)=0$$

$$s(s+2)(s+1)^2=0$$

$$s=0,-1,-2$$

よって、極は0, -1, -2となります。

以上より、答えは③です。

まとめ

資格を取った女性

今回は、ゼロ点と極、系の安定の考え方について学習しました。

この分野はブロック線図の等価変換などと合わせて出題されることがあります。

ブロック線図の等価変換については、こちらの記事を参考にしてください。

理解すれば確実に得点できる分野ですので、ぜひチェックして問題演習を積んでください。

過去問を完璧に解けるように繰り返し解くことが、技術士一次試験合格の近道です。

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