今回は大学院などで日本学生支援機構の奨学金を借りた方に向けて、「特に優れた業績による返還免除」の申請書類の書き方についてご説明します。
実際に、この申請により半額の返還免除を頂いた筆者の経験から、どのくらいで半額返還免除となるのかの参考になると思います。
ぜひ、最後までご確認ください。
- 日本学生支援機構の第一種奨学金を大学院在学中の2年間、毎月88,000円借りました。
- 学歴は地方国立大学大学院卒です。
- 特に優れた業績による返還免除により、半額の返還免除をいただくことができました。
- 現在は就職し、会社員として働きながら、奨学金の返済を行っています。
大学院で日本学生支援機構第一種奨学金を借りた方
「特に優れた業績による返還免除」申請書類の書き方で困っている方
どのくらいの成績、業績があれば返還免除認定がいただけるのか知りたい方
ページコンテンツ
「特に優れた業績による返還免除」とは?
「特に優れた業績による返還免除」の内容についてまとめます。
詳しい内容は、日本学生支援機構のホームページを参考にしてください。
対象
以下の学生が主な対象となります。
- 大学院在学中に日本学生支援機構の第一種奨学金を借りた学生
要件
以下の学生が申請し、返還免除を受けられる可能性があります。
- 対象となる学生のうち、満期や辞退、退学などで貸与を終了する学生。
- 貸与終了時までに在籍する課程にて貸与期間に優れた業績を挙げた学生。
貸与終了時に返還免除を申請する書類の提出が必要です。
3月卒業であれば、1,2月頃に申請書類の提出をしなければならない場合が多いです。
返還免除額
奨学金の全額もしくは半額が返還免除となります。
申請書類の内容から、業績が審査されて免除額が決定されます。
選考の仕組み
多くの大学院の場合、まず、各研究科などで、申請書類の内容に基づいて、返還免除候補者の選考が行われます。
その後、大学内の選考委員の審議を通り、日本学生支援機構に推薦される形になります。
日本学生支援機構のホームページ(特に優れた業績による返還免除の手続き:認定結果の概要)によると、
令和2年度に修士課程にて大学院第一種奨学金の貸与が終了した20,412名のうち、
返還免除認定推薦者数は6,122名です。
そのうち、返還免除されたのは、6,102名です。
全額返還免除者数は1,374名、半額返還免除者数は4,728名とのことでした。
よって、学内の選考を勝ち抜いて推薦された学生のほとんどは半額もしくは全額の返還免除を受けられることがわかります。
特に優れた業績とて認められる項目
一例として、北海道大学の「特に優れた業績の評価項目一覧」を確認してみましょう。
画像は、北海道大学工学部ホームページ(日本学生支援機構(旧 日本育英会)奨学金のお知らせ)からダウンロードしたものです。
半額の返還免除を得るには?
「どのくらいの業績で返還免除になるのか?」
実際に半額の返還免除を頂いた筆者の業績を、北海道大学の評価項目一覧に可能な限り沿う形で詳しくご説明します。
学位論文その他研究論文
修士論文に加え、査読付き原著論文が2本ありました。
2年間で合計10回の学会での発表がありました。
また、1件の学会受賞歴がありました。
修士論文に代わる特定の課題についての研究成果
修士論文以外の研究成果はとくにありませんでした。
博士論文研究基礎力審査
博士論文研究基礎力審査は受けていません。
著書、データベース、その他の著作物
修士論文以外の研究成果はとくにありませんでした。
発明
発明はありませんでした。
授業科目の成績及修業年限の短縮
修得科目の成績はすべて「優」以上で、おそらく専攻内の成績も上位4分の1以内でした。
研究または教育に係る補助業務の実績
リサーチ・アシスタントを半年、ティーチング・アシスタントを1年半、2名留学生のサポーター・チューターなどを行っていました。
音楽,演劇,美術その他芸術 の発表会における成績
芸術に関する成績は一切ありませんでした。
スポーツの競技会における成績
スポーツに関する成績は一切ありませんでした。
ボランティア活動その他の社会貢献活動
大学祭で地域の子供向けに理科教室のボランティア活動があったのでその旨を書きました。
業績優秀者返還免除申請書の書き方
申請にあたって、業績優秀者返還免除申請書を書く必要があります。
その際同時に「業績を証明するもの」を添付資料として添えなければいけません。
筆者の経験をもとに、実際に添付資料として提出した書類について説明します。
学位論文その他研究論文
修士論文の要旨、修士論文の表紙のコピーを提出しました。
投稿論文に関しては、論文の内容の要旨と掲載決定通知のコピーを提出しました。
学会発表に関しては、学会概要集の表紙と自分の発表の要旨の載っているページをコピーして提出しました。
学会受賞に関しては、表彰状のコピーを提出しました。
授業科目の成績及修業年限の短縮
成績表のコピーを提出しました。
研究または教育に係る補助業務の実績
リサーチ・アシスタントやティーチング・アシスタント、チューターに関しては、大学から頂いた発令や労働条件通知書のコピーを提出しました。
ボランティア活動その他の社会貢献活動
ボランティア活動の概要をまとめて提出しました。
まとめ
返還免除申請書類は提出しなければならないものが多く、準備に時間がかかります。
特に、日頃から書類を整理して保管しておかなければ証明する書類を揃えるのは大変です。
また、時期的に修士論文発表などと被っており、大変忙しい状態になりやすいです。
はやめに大学からの案内に目を通し、素早く書類を完成させ、提出することをおすすめします。
筆者の経験が皆様の役にたてば幸いです。