本記事では、ばねの合成について学習していきます。
✔学習内容
・合成ばね定数
・例題(令和2年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-17)
・例題(令和3年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-20)
ページコンテンツ
合成ばね定数
2種類のばねを組み合わせて使用する場合、2つのばねを1つのばねとして考えた時のばね定数を「合成ばね定数」といいます。
暗記しておくべきばねの組み合わせと合成ばね定数は以下の3つです。
2つのばね定数をそれぞれ$k_1$、$k_2$、合成ばね定数を$k$とすると、
- 直列結合
$$\frac{1}{k}=\frac{1}{k_1}+\frac{1}{k_2}$$
- 並列結合
$$k=k_1+k_2$$
- サンドイッチ結合
$$k=k_1+k_2$$
問題1
問題画像は公益社団法人日本技術士会ホームページからダウンロードしたものです。
【令和2年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-17】
【解答】
合成ばね定数を$K$とすると、
それぞれのばね定数は、
① $k$
② 直列結合だから、
$\frac{1}{K}=\frac{1}{k}+\frac{1}{k}$より、
$K=\frac{1}{2}k$
③ サンドイッチ結合だから、
$K=k+k=2k$
④ 左側は並列結合: $2k$、右側: $k$のサンドイッチ結合で、
$K=2k+k=3k$
⑤ 左側: $k$、右側は直列結合: $\frac{1}{2}k$のサンドイッチ結合だから、
$K=k+\frac{1}{2}k=\frac{3}{2}k$
固有振動数$\omega=\sqrt{\frac{K}{m}}$より、$\omega$が大きくなるのは$K$が大きいときだから、
正解は、④です。
問題2
問題画像は公益社団法人日本技術士会ホームページからダウンロードしたものです。
【令和3年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-20】
【解答】
ばね定数$k$の2つのばねが並列結合されているので、合成ばね定数$K$は、
$$K=k+k=2k$$
臨界減衰系となるときのダンパの減衰係数(臨界減衰係数)は(導出はこちら)、
$$c=2\sqrt{mK}$$
$K=2k$を代入し、
$$c=2\sqrt{2mk}$$
よって、正解は⑤です。
まとめ
今回は、合成ばねのばね定数について学習しました。
合成ばねの問題は技術士一次試験で頻出です。
過去問を繰り返し解いて合格を目指してください。