今回は、公称応力、公称ひずみ、真応力、真ひずみの関係式を計算します。
✔学習内容
・応力とひずみの定義
・公称ひずみと真ひずみの関係式
・公称応力と真応力の関係式
応力と歪みの基本について復習したい方は、こちらの記事を参考にしてください。
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応力とひずみ
底面積$A_0$、高さ$l_0$の円柱を荷重$P$で引っ張り、$A_1$、$l_1$に変形したとします。
このときの公称応力、公称ひずみ、真応力、真ひずみは
公称ひずみと真ひずみ
ここで、公称ひずみ$ε_n$について、
$$ε_n=\frac{l_1-l_0}{l_0}=\frac{l_1}{l_0}-1$$
と変形できるので、
$$\frac{l_1}{l_0}=ε_n+1$$
となります。
また、真ひずみ$ε_t$については、
$$\frac{l_1}{l_0}=e^{ε_t}$$
となります。
以上より、$\frac{l_1}{l_0}$についての式から、
公称ひずみと真ひずみの関係は、
$$ε_n+1=e^{ε_t}$$
$$ε_t=\ln{\left(ε_n+1\right)}$$
となります。
公称応力と真応力
変形の前後で体積が一定であると仮定します。
$$A_0\cdot l_0= A_1\cdot l_1$$
真応力$σ_t$について、
$$σ_t=\frac{P}{A_1}$$
$$=\frac{P}{A_0}\cdot\frac{A_0}{A_1}$$
$$=σ_n\cdot\frac{A_0}{A_1}$$
$$=σ_n\cdot\frac{l_1}{l_0}$$
$$=σ_n e^{ε_t}$$
また、公称ひずみと真ひずみの関係$ε_t=\ln{\left(ε_n+1\right)}$より、
$$σ_t=σ_n\left(ε_n+1\right)$$
とも変形できます。
まとめ
導出した関係式をまとめます。
公称ひずみと真ひずみの関係
$$ε_t=\ln{\left(ε_n+1\right)}$$
公称応力と真応力の関係
$$σ_t=σ_n e^{ε_t}$$
今回まとめた関係式は、材料力学の基本となる関係式です。
読むだけでは理解しにくい部分もあるかもしれません。
ぜひ紙に書いて導出してみてください。