今回は、曲げモーメントについて学習します。
曲げモーメント図ってどうやって書くの??
モーメントとは、力と支点からの距離の積で示されるんだ。
✔学習内容
・曲げモーメントの定義
・集中荷重と等分布荷重を受ける梁における違い
・問題1(令和2年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-5)
・問題2(令和3年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-4)
まずはもっとも基本とされる、片持はりの曲げモーメントをマスターします。
ページコンテンツ
曲げモーメントとは?
曲げモーメントとは、曲げ方向にかかるモーメントのことです。
モーメントは以下のように定義されます。
曲げモーメント = 力 × 支点からの距離
$$M = f × x$$
- $M$: モーメント
- $f$: 力
- $x$: 支点からの距離(長さ)
集中荷重を受ける片持はり
それでは実際に曲げモーメントを計算していきます。
長さ$L$のはりが壁に固定されています。
$x = 0$において集中荷重$P$を受けるとします。
このときの曲げモーメントを求めます。
原点からの距離が$x$である点Aから原点までの部分を考えると、
点Aまわりのモーメント$M$は、
$$M + P{\cdot}x = 0$$
$$M = -P{\cdot}x$$
となります。
今回は矢印の通り、A点周り反時計周りを正として考えるよ。
集中荷重を受ける片持はりの最大曲げモーメントは$x = L$のとき、
$$M = -PL$$
となります。
これをグラフにすると、
このような曲げモーメントの分布を示した図を「曲げモーメント図」といいます。
荷重の分布とは異なる形状になることに注意しよう。
等分布荷重を受ける片持はり
こんどは、均等な荷重が片持はり全体にかかっている場合を考えてみます。
荷重$p$が片持はりに均等にかかっているとします。
原点からの距離が$x$である点Aから原点までの部分を考えます。
荷重は均等にかかっているので、距離に比例します。
点Aから原点までにおける荷重$f$は
$$f = p{\cdot}x$$
この荷重$f$は点Aと原点の中心($\frac{x}{2}$)に集中して作用したと仮定して、
点Aまわりのモーメント$M$は、
$$M + f{\cdot}\frac{x}{2}= 0$$
$$M=-p{\cdot}\frac{x^2}{2}$$
となります。
よって等分布荷重を受ける片持はりの最大曲げモーメントは$x = L$のとき、
$$M=-\frac{p{\cdot}L^2}{2}$$
となります。
問題1
問題画像は公益社団法人日本技術士会ホームページからダウンロードしたものです。
【令和2年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-5】
【解答】
最大曲げ応力(モーメント)が等しいので、
$$-Pl =-\frac{q{\cdot}l^2}{2}$$
$$P =\frac{ql}{2}$$
よって正解は④です。
問題2
問題画像は公益社団法人日本技術士会ホームページからダウンロードしたものです。
【令和3年度技術士一次試験[専門科目] 機械部門 Ⅲ-4】
【解答】
均等な分布荷重の曲げモーメント図を答える問題です。
正解は①です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
曲げモーメントは変位を求める際に用いたりするなど、これから基本となる考え方です。
ぜひ理解してください。
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